出足鈍い「求職者支援制度」利用:熊本

出足鈍い「求職者支援制度」利用 周知強化へ
(2011年11月23日 くまにちコム)

 求職者が手当支給を受けながら無料職業訓練を受講する「求職者支援制度」が10月から始まったが、県内の出足が低調だ。同制度は、失業給付を受けられない人が生活保護受給に至る前に就職へ導く「第2のセーフティーネット」と期待されており、熊本労働局は周知を強化する。

 9月に終了した「緊急人材育成支援事業」に代わる恒久の支援制度で、求職者支援法に基づく。

 非正規労働者や長期失業者、学卒未就職者など失業給付を受けられない人に対し、就職に必要な技能や知識を習得する職業訓練を無料で実施。収入など一定要件を満たす受講者には、月10万円の「職業訓練受講手当」が支給される。

 同局は、来年3月末までに最大2800人の受講を見込み、10月開講分は最大480人の枠を準備。しかし10月の受講者は計59人だった。11月分も128人と、11・12月分の枠(最大940人)を大きく下回っている。

 低調な要因を、同局は「9月に終了した旧制度の駆け込み申請があったため」とみる。終了する直前の8、9月は受講申請が急増。それぞれ900人近くあったという。

 新制度は早期就職に結び付くことを重視。(1)受講の必要性をハローワークが事前に見極める(2)欠席は原則的に認めない−など、要件を厳格化した。

 制度を利用し職業訓練を受講中の女性(44)=熊本市=は、離婚を機に求職活動をスタート。子ども3人を育てるために「安定した仕事に就きたい。手当をもらいながら、仕事に役立つ技能が身に付けられるのはありがたい」と話す。

 同局求職者支援室は「ハローワークが主体性を持って制度を周知し、一人一人に合った訓練を案内するなど対応を強化したい」と話している。


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